皆さんは、「財団法人 省エネルギーセンター」の名前を耳にしたことはあるだろうか?
同センターは、日本の限りある資源を守り、省エネの調査や普及活動を行っている団体。では実際に、どういった形で省エネを支援し、実施しているのか。
財団法人 省エネルギーセンター 省エネルギー機器推進部長の森本弘さん、総務部 課長代理の下井田領子さんに、それぞれお話をうかがった。
“省エネルギー”を推進する機関として発足
「財団法人 省エネルギーセンター」は、第1次オイルショック以降の1978年、省エネルギーの普及促進を行うための総合的・中核的機関として発足。当初は産業・製造分野を中心にエネルギー管理の技術普及を行い、民間と政府との間に立つ中立的な立場として活動を行っていた。さらに、近年ではオフィスビルや病院などだけでなく、家庭でのエネルギーの消費が増えていることもあり、現在では省エネルギーに関する、ほぼすべての分野を担う機関となっている。
省エネルギーセンターでは、“エネルギーをいかに有効的に使うか”を軸に、“環境面からアプローチしたエネルギーの使い方”を目的として省エネを推進していく姿勢だという。「ここ10年で省エネを取り巻く環境も変化しています。これまでは、限りある資源をどう大切に使っていくか、という論点に重きが置かれていました。しかし、年々高まる環境意識や、今年から京都議定書の第一約束期間が開始したことなどもあり、省エネの観点が地球温暖化対策などの環境面へシフトしているのは確かだと思います」(下井田さん)
産業界から家庭、地域までの省エネを幅広く支援
省エネルギーセンターの活動内容をひと言でいえば「国のエネルギー政策に関わるサポート」ということになる。「省エネ法」に代表されるさまざまな施策をどのように浸透させ、実施していくか。そのガイドライン作りやPR、専門家の育成・教育などの役割を任されているのが、省エネルギーセンターであるといえるだろう。
このように省エネルギーセンターの活動内容は実に多岐にわたるが、主な事業内容を並べると以下のようになる。
- 産業部門と業務部門の省エネルギー推進
- 運輸部門の省エネルギー推進
- 省エネルギーに関する国際協力
- 生活の省エネルギー推進
- 省エネルギー機器の普及推進
- ENEX〔地球環境とエネルギーの調和展〕ほかイベントの開催
- エネルギー管理士試験、エネルギー管理員講習、省エネルギー技術普及講座
- 月刊『省エネルギー』など出版物の発行
などがある。
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夏休み!エコキッズ探検隊の実施 ※1 |
なかでも代表的な活動内容をもう少し詳しくみていくことにしよう。
まず、中核となる部門として存在しているのが、「産業・業務部門」だ。13回にわたる「省エネ法」改正のサポートをはじめ、省エネ対策に取り組むべき余地が多い中規模工場や、エネルギー消費量の増加が著しい業務用ビルに対し「省エネルギー診断」を実施し、具体的な省エネ対策のためのアドバイスを行うなど、細かなサポートも行っている。
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中規模工場の省エネルギー診断 ※2 |
そのほか、実効性の高い省エネ対策の進展をはかるため、現場で実施された省エネ対策の事例を募集し、すぐれた事例を表彰する「省エネルギー実施優秀事例」を公表することで、具体的な省エネ実施を企業にうながしてもいる。その数は、省エネルギー実施事例5,500件、省エネルギー診断12,000件を記録した。
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省エネルギー実施優秀事例の表彰 ※2 |
このように、省エネ法の遵守だけにとどまらず、日本の省エネルギーの礎となるべく、現場での対策の工夫やヒントを与えているのだ。
いっぽう、私たちの生活にも関わりの深い「民生部門」では、省エネ効果が大きく確実な対策のひとつでもある「省エネルギー機器の普及推進」にも多大な役割を担っている。
ハイブリッドカーやヒートポンプシステムに見られるような「省エネ大賞」や、小売店で目にする「省エネラベリング制度」、世界7カ国・地域で実施されているオフィス機器の省エネルギー制度「国際エネルギースタープログラム」などに携わるほか、省エネ製品の積極的な販売を行う家電販売店を「省エネ型製品普及推進優良店」とし表彰するなど、さまざまな活動を通じて、省エネ製品の普及に尽力しているのだ。
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(1)省エネ大賞受賞マーク ※3 (2)国際エネルギースタープログラムロゴ ※3 (3)省エネ型製品普及推進優良店シンボルマーク ※3 |
「省エネラベルは、以前に比べると認知度は高くなったように感じますが、消費者の皆さんにもっと知っていただき活用してもらうことは、私たちの課題のひとつ。消費者・販売店・製造業者の橋渡し的な存在になれればと思っています」(森本さん)
また、10年以上前より「省エネ性能カタログ」を発行している。これは、家電製品やガス・石油機器を省エネ性能順にランキングし、統一省エネラベルの情報なども掲載したもの。「実際に店頭でみると、種類もさまざまで迷うことも多々あると思います。そこで、それをサポートするかたちで考案されました。このようにメーカーごとの省エネ性能の違いをランク付けするということは、当時としてはとても画期的だったようです」
(下井田さん)。
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| (左)省エネ性能カタログ(家電製品・2008年夏版) ※4 (右)省エネ性能カタログ(ガス・石油機器・2007年度版) ※4 |
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省エネルギーセンターでは、省エネの技術とノウハウを世界へ発信する国際事業にも力を入れている。というのも、“省エネ”にスポットをあてた機関は日本が先駆的。省エネルギーセンターをモデルとした諸外国での省エネ推進機関の設立、省エネ活動や人材育成支援の要請など、世界でも注目をされているようだ。
しかし、“省エネ”は目に見えるものではないので、効果が得られにくいという声も多々あるのではないだろうか。
「省エネは個人の意識によるところが大きいということです。ですから、我慢・節約の省エネではなく、省エネ性にすぐれた機器を普段から選ぶようにしたり、エネルギーの負荷が減るような“スマート”で“格好のよい” ライフスタイルの省エネを心がけていただきたいですね。私たちとしても、省エネルギーセンターだからこその情報を発信したり、省エネ効果を見える形で提案するなど、皆さんがエネルギーを考えるきっかけ作りができたらいいと考えています」(下井田さん)。
※3 ※4 財団法人 省エネルギーセンターのHPから引用














