エコインタビュー さかなクン

千葉県館山市に住居を移されたり、海に潜られたり、実際に地元の漁師さんと漁に出られたりもするそうですね。日ごろから、そのようにして多くの自然とふれあっていらっしゃいますが、最近の環境意識の高まりについてはどう思われますか?
とーってもすばらしいと思います!! 自分が幼かった頃は、“環境について考える”機会も少なかったです。また“エコグッズ”と呼ばれるものも知りませんでした。今は環境のために、地球温暖化をはじめ、たくさんのことが取り上げられ、学ばせていただくたびに「しっかりと環境問題を意識して、行動していかなければ!」と強く思います。そして、ひとつひとつ「こうすると、こんなところがエコなんだ!」とか「この製品を使うことによって、エネルギーがこれだけ節約になるんだ!」とか、“何がどうエコにつながるのか?”を理解したうえで取り組むことが求められていると思います。そして、日本中、世界中の皆さまで意識して取り組み、続けていくことが大事だと思います。
なるほど。では、普段の生活で実践していることはどういったことですか?
お魚が大好きになって、「お魚をいただくこと=お魚の“命”をいただくこと」だと気づきました。お魚をはじめ、野菜もお肉も、自然界で一生懸命生きてきた命をいただくということです!! だから、感謝して、ありがたく美味しく食べることが大事ですね! また、環境やエコについて学ばせていただくうちに、環境にやさしいことは、「できるだけゴミを出さないこと」だと意識するようになりました。ですから、好き嫌いをなくして残さず食べることは環境にもやさしいということなんですね! 講演会などではお子さまに「今日から好き嫌いをなくして感謝して、美味しく食べましょう。そうすれば、ますます美味しくなります。そして、お母さんが食器を洗うとき、お水と洗剤の量も少なくてすみ、水を汚さないことになるんです!」ってお話させていただきます。海や川の汚れのおよそ7割は、家庭から出る生活排水といわれているんです。だからこそ、皆さまといっしょに食べ物とお水に感謝して、美味しくありがたくいただきたいと思っています。
そして、電気やテレビをつけないときはコンセントを抜いたり、マイはしやマイバッグを持参し活用すること。最近では自宅にソーラーパネルも設置したり、エコキャップを集める運動(エコキャップ推進協会)もしています。毎年、秋には山下公園付近で行われる海底清掃にも参加しています。自分で身近にできること、続けられることはどんどん行動してみると楽しく、お仲間も増えて、ギョギョっとうれしさ倍増です!
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| 小さなことでも、自分にできることはたくさんあります |
本当にいろんなことをやられているんですね。
「水の惑星」といわれるほど、地球の表面積の7割は海だといわれています。自分は、日々、お魚から学んで、たくさんの幸せをいただいているので、お魚がなくては生きていけません! だからお世話になっているお魚たちが暮らす海を大事にすることが、お魚への感謝のしるしだと思っています。多くのお魚は小さい頃は沿岸で育ちます。とーっても広い海のなかでも沿岸が、生物がもっとも豊富に生息をしていて、海を活性化させてくれるんです! だから、まずは身近である河口や干潟、藻場など沿岸部の自然を壊さないよう、大事にすることが海を守ることにつながるんです! 沿岸部が埋め立てられてしまったり、海草が茂らない海になってしまうと、お魚たちが育つことができず漁獲減少が進むことにもなります。そうならないために毎日の生活のなかでできるエコなことを続け、身近な自然を大切することが最終的に大きな力になるはずです。
我が家ではいま、漁師さんからいただいた海のお魚がおよそ50種100匹近くも暮らしているんですよ!!
100匹!? すごいですね。でも当然、魚によって飼育の方法が違うわけですよね。
はい。たとえば、ほとんど海草しか食べないお魚や、雑食性でいろいろなものを食べるお魚、生きた生物しか食べないお魚もいたり、お魚の種類によって、食べ物や暮らす場所、また水温などが違います。それが“多様性”なんですね!
1992年5月に生物多様性条約が発効されましたが、世界中にいろんな生き物がいるということは、それだけ多種多様な環境が存在し、環境が豊かだからこそ、これだけ多くの生き物が生息できているということですよね。だから、バランスがくずれると、たとえばオニヒトデとかエチゼンクラゲがたくさん増えてしまう。でも、自然のバランスが保たれていれば、それぞれのお魚や生物がいきいきと活動できるのだと思います!!
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| お魚たちのために、残せる自然はできるだけ残していただきたいです |
生物多様性条約では、「生物多様性の損失を2010年までに大幅に減速させる」とうたわれていますが、日本にはいったいどれくらいの魚が生息しているのでしょう?
はい! 現在の日本の自然においては、4000種を越える魚が知られています。でも、そのなかで食用として流通されているお魚の種類は、ほんのひと握り。流通してなくても、いただいてみると、美味しいお魚はまだまだたくさんいるのに、とっても残念なことです。日本でとれる、それも地元のお魚を大事にして美味しくいただく“地産地消”がエコにつながっていきます!
皆さま! 毎日の生活のなかでできることを続けたり、身近な自然や、身近な海・川を大事にしましょう! いちばん大切にしなければならないものは、自分の近くにあるはずです!

- さかなクン
- 東京都出身。小学2年生のとき、友達が描いたタコの落書きを見て、すっかりタコ好きに。それがきっかけとなって魚の魅力を求め、日々、お魚ライフをおくる。初恋の魚は「ウマヅラハギ」だとか。現在では、お魚らいふ・コーディネーターをはじめ、東京海洋大学准教授、水産庁水産政策審議会特別委員など多くの肩書きをもち、講演やテレビ、雑誌連載など、幅広い分野で活躍。著書に『おさかな新発見!おしえてさかなクン』(PHP研究所)など多数。ちなみに、調べものはインターネットではなく、もっぱら図鑑。日ごろから、数冊(重さにして6キロ以上!)を持ち歩いているという。